2010年2月1,2,3日 早稲田大学での講義
早稲田大学での講義 「日本の食と自給率」
2月1〜3日の3日間、フードジャパンネットワーク(事務局:早稲田大学公共政策研究所)では早稲田大学の大学院生を対象に、榊原英資教授をはじめ著名な方々に講師となってもらい、講師自身の体験から考える「日本の食」をキーワードに講義を実施しました。
日本の食は世界からも注目されているものの、他方で日本の食料自給率はカロリーベースで約41%という状況にあります。現在はお金を出せば買うことができる食料も、将来においてもそれが可能な状況にあるとは限りません。
本講義では、日本の食を、歴史という縦軸と外国との比較という横軸の2つの軸から考察、自らを知ることで、ソフトパワーとしての日本の食について幅広い観点から認識を深め、その置かれた現状・課題を把握し、今後の日本の食の方向や食料自給率を考えていくことを狙いとしました。
なお、この講義については、来年度は、学部の教養課程の学生を対象にした講義を開講するべく準備を進めています。この講義は全学部の学生を対象とした、学部横断授業である「オープン教育センター設置授業の設置」になります。
早稲田大学での講義1日目
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第1限 9:00〜10:30 榊原英資氏(早稲田大学教授)
イントロ 〜風土・歴史・交流=食から文化を考える |
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森と水に恵まれて、海に囲まれた日本は豊かな食材と食文化を持っています。しかしながら今、日本の食料自給率は41%程度です。
こうなってきた経緯を、欧米やアジアの食の歴史を紐解きながら、その現状を考え、問題として捉える機会として講義を実施していただきました。 |
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第2限 10:40〜12:10 西川 恵氏(食コラムニスト)
食の外交力 〜日本大使館料理人とフランス料理 |
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意外と知られていないことですが、在外の日本大使館でのパーティは非常に人気が高いそうです。その理由は、日本大使館に行くとおいしいのが食べられるから。
日本料理が持つ外交力と、その影響力の源泉について講義を実施していただきました。 |
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第3限 13:00〜14:30 末松 広行氏(農林水産省大臣官房政策課長)
日本の食の現状と課題 |
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我々消費者の関心が高まっている以下のキーワードについて、講義を実施していただきました。
・世界の食料事情
・新たな「食料・農業・農村計画」の策定について
・戸別所得補償制度について
・農業の6次産業化について |
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第4限 14:45〜16:15 大澤 誠氏(農林水産省大臣官房食料安全保障課長)
食料自給率の現状と課題 |
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我々消費者の関心が高まっている以下のキーワードについて、講義を実施していただきました。
・食料自給率について
・食料自給率に対する誤解
・食料自給率の向上に向けて
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第5限 16:30〜18:00 小西雅子氏(東京ガス)
食で感性を育む試み 〜フランスの味覚教育に学ぶ |
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自らの食文化を次世代に継承していくことは、日本にとって非常に大きな課題です。その点で参考になるのが、フランス。フランスでは次世代に向けて味覚教育ということが行われています。
この味覚教育が行われる背景や意図について講義を実施、日本に対するインプリケーションとしていただきました。
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早稲田大学での講義2日目
早稲田大学での講義、2日目はキッコーマン様のご協力のもと、もの知りしょうゆ館(千葉県野田市)において、しょうゆ醸造に関する講義や実習、食文化に関する講義などの実地授業がおこなわれました。

もの知りしょうゆ館では、初めに、キッコーマン食品しょうゆ開発部長の木津様より、しょうゆ醸造に関する講義がおこなわれました。そのなかで、日本でのしょうゆの広がりや海外でのしょうゆ製造などしょうゆの歴史や製造方法等に関する説明があり、我々が普段当たり前に使って、食べている「しょうゆ」について、あらためて再確認する良い機会となりました。
講義の後は、原料の大豆や小麦に触れる、こうじ菌が育つ様子を観察する、もろみを搾るなど、しょうゆづくりを体験しました。
しょうゆづくりの最後は、キッコーマン 特選 丸大豆しょうゆをせんべいに塗って試食をしました。新鮮なしょうゆを塗っただけのせんべいは、香ばしさとしょうゆのうまみが格別でした(写真)。

次に、実際に工場に入り、しょうゆの醸造工程を見学しました。見学の最後には、海外で販売されているしょうゆも陳列されており、その種類の多さにも驚きました。見学が終わると、わくわくしょうゆ体験コーナー【まめカフェ】で、しょうゆソフトクリームの試食(左下)、3種類のしょうゆを豆腐につけて味比べを体験(右下)、しょうゆの「色」や「味」「香り」の違いを楽しみました。
昼食には、もろみを使用した鶏の照り焼きを中心に、しょうゆのおいしさを実感できるお弁当「割烹紫乃 特製しょうゆもろみ弁当」を食べながら、各自午前中の講義を振返りました。

午後からは、場所をキッコーマン国際食文化研究センターに移し、「江戸人の味覚と地廻り醤油」「しょうゆの国際化」など、しょうゆを軸にして食文化に関する講義がおこなわれました。
最初に、「江戸人の味覚と地廻り醤油」というテーマで、元キッコーマン国際文化研究センター長の平山様より説明がありました。そのなかで、各地の食が出会い、交流・融合した「江戸の味(味覚)」に関する説明や江戸人の味覚の変化と関東地廻り醤油完成の歴史など、日本の食文化について深く学習、受講生も熱心に聞き入っていました。
続いて、「キッコーマンの国際事業概要〜食文化の国際交流〜」をテーマに、キッコーマン滑C外事業部管理第2グループ長の深澤様より、しょうゆを現地の食材やメニューにあわせて訴求し、欧米を浸透させてきた同社の国際事業のあゆみなどに触れながら、食文化の国際交流に関するお話がありました。
また、最後に、アメリカやオランダ工場での環境への取り組み等を紹介いただき、「キッコーマンがあってよかった」と思われるような企業を目指したいという言葉で2日目の実地研修は終了となりました。
早稲田大学での講義3日目
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第1限 9:00〜10:30 北岡尚信氏(広尾プティ・ポワンオーナーシェフ)
ソフトパワーとしてのフランス料理 〜それを支える技術と食材 |
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日本の食をソフトパワーの観点から考える際に参考になるのが、フランス。
フランス料理がどのような経緯をたどって形成されてきたのか、またその料理を支える食材の生産の仕組みを含めて講義を実施していただきました。 |
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第2限 10:40〜12:10 徳岡邦夫氏(京都吉兆嵐山本店総料理長)
日本料理の可能性 〜ソフトパワーとしての魅力を考える |
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世界に誇りうる日本料理の強みと可能性について、日本の食がソフトパワーになるためにどのような課題があるのでしょうか。
現実に料理する人の目から見て、何をしていかなければならないか、食材の生産を含めて講義を実施していただきました。 |
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第3限 13:00〜14:30 仲野隆三氏(JA冨里市常務理事)
日本の食をどう支えるか〜生産者から見た問題 |
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農業生産者の視点から見た農業と食の問題を、地域(集落)文化と農業の役割、農産物流通と農業経営の現状、今後の農業と食の展望の話を交えて講義を実施していただきました。
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第4限 14:45〜16:15 高橋喜幸氏(早稲田大学教授)
食料自給率向上に向けた議論 (ディスカッション方式) |
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これまでの講義を振り返って、日本の食料自給率を向上させるための政策、政府の政策・企業の戦略・個人レベルでの行動に対する働きかけ、について、ディスカッション形式による講義を実施していただきました。
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第4限 14:45〜16:15 高橋喜幸氏(早稲田大学教授)
食料自給率向上に向けた議論 (ディスカッション方式) |
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「日本の食と自給率」をタイトルとした本講義全体のまとめとしての位置づけで、世界に誇りうる日本の食を、今後にもわたって維持・発展させるための課題と対応策について講義を実施していただきました。
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